
口腔リハビリテーション
口腔リハビリテーション
口腔リハビリテーションとは、「噛む」「飲み込む」「話す」といったお口の機能を回復・維持・改善するためのリハビリテーションです。加齢や病気、怪我、手術の影響などで、口の機能が低下すると、食事中にむせたり、飲み込みづらくなったり、言葉がうまく出ないといった症状が現れます。これらは日々の生活に大きく影響し、放っておくと栄養不足や誤嚥性肺炎、社会的孤立といった深刻な問題に繋がることもあります。
口腔機能の低下は「年のせい」と思われがちですが、適切な訓練やケアを行うことで、多くの場合改善が可能です。口からしっかり食べられることは、健康を保つうえでの大切な基盤であり、「生きる力」そのものです。私たちは、口腔リハビリテーションを通じて、患者様の「食べる喜び」「話す楽しさ」「自分らしく生きる力」を取り戻すサポートを行っています。
当院では、歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士など、複数の専門職が連携し、総合的な視点からリハビリを実施しています。症状や目的に合わせたオーダーメイドのプログラムを作成し、無理のないペースで進めていきます。
まずはお口の状態、舌や唇の動き、飲み込みの様子、発音、呼吸の仕方などを細かくチェックし、今の状態を丁寧にご説明します。ご本人やご家族の不安や希望もお聞きした上で、最適なリハビリプランをご提案します。
「舌や口の筋肉を鍛える運動」「飲み込みやすくする姿勢の指導」「呼吸・発声練習」「発音のトレーニング」など、必要な内容を組み合わせ、日常生活に無理なく取り入れられるよう配慮しています。自宅でも継続できるよう、簡単な練習方法もお伝えしています。
食事の形状や食べ方、調理の工夫などのアドバイスを通して、安心して「食べられる」環境づくりも大切にしています。必要に応じて、栄養士や介護職とも連携し、ご家庭全体のサポートにつなげています。
高齢者の肺炎の多くは、飲み込む力の低下が原因とされています。口腔リハビリは、食事中の「むせ」や「飲み込みにくさ」の改善を通じて、誤嚥性肺炎の予防にも効果的です。入院や再発を防ぐためにも、早期からの取り組みが重要です。
これらのお悩みは、早めに対処することで大きな改善が期待できます。「まだ大丈夫かな?」と思っていても、ぜひ一度ご相談ください。
当院が大切にしているのは、「患者様ご自身が前向きになれるサポート」です。単に訓練を行うだけではなく、「もう一度、美味しく食べたい」「家族と会話を楽しみたい」といった想いに寄り添い、リハビリを通じてその実現を後押しします。たとえ年齢を重ねても、病気を抱えていても、「自分でできること」「自分らしい生活」を取り戻すことは可能です。小さな「できた」を一つずつ積み重ねながら、心も体も前向きになれる時間を提供したいと考えています。
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